魔述学基礎ⅠA

この項では魔述を行使する者としての魔術師について言及する。

1.魔述師の種類

 魔述師には三種類ある。魔述師〈ロギカ〉弊〈プシケイ〉・擬魔述師〈ラテルナ・マギカ〉だ。これらは現在数を減らしているが、内九割以上を魔述師〈ロギカ〉が占めている。残りは人工的にイデアに頼らず成立する魔述師〈ラテルナ・マギカ〉で、弊〈プシケイ〉は歴史上散見されるにとどまる。


2.魔述師〈ロギカ〉

 魔述師〈ロギカ〉は最も一般的な魔述行使の方法であり、イデアとの低位契約により成就する。ただしレジリエンス因子の恩恵は受けられず、行使できる魔述も簡易なものに限定される。

 他の二種類に比べてアドバンテージがあるとすればそれは、複数のイデアと契約が可能な点であろう。知られているとおり、イデアとの低位契約においては、対象イデアより上級イデアの名が必要となる。文献の中に隠された字〈あざな〉を蒐集すれば、高位のイデアは望めなくても多くの低級イデアと契約できる。彼らから独自の話を引き出せたなら、更に上級のイデアの字〈あざな〉を知ることも可能かもしれない。


3.弊〈プシケイ〉

  弊〈プシケイ〉になろうとしてなるのは天文学的な確率だ。それはイデアとの一対一の専属契約であり、互いの諱〈いみな〉を教えあう必要がある。イデアにとって命とさえ言える諱〈いみな〉を知るのはまず不可能だ。

 ただし、弊〈プシケイ〉となれた暁には確実に歴史に名が残るだろう。レジリエンス因子による超回復で死から遠ざかり、理論武装が可能なことからイデアさえ傷つけることができ、強大な魔述で世界のありようも歪める。神代の超人とはまさに、弊〈プシケイ〉のことである。


4.擬魔述師〈ラテルナ・マギカ〉

 擬魔述師〈ラテルナ・マギカ〉は魔述師でありながら他の二者へのアンチテーゼとして人工的に作られた。秘密結社bldkの秘術である。イデアは人間の世界と、我々の知覚を超えた次元に跨がって存在する。故に彼らを魔述・理論武装以外で攻撃するのは不可能だ。イデアの最上位存在〈ラスト・オーサー〉捕捉を目論むbldkにとって、イデアの力でイデアの長を攻撃するという思想は致命的矛盾であった。

 そこで人工的に弊〈プシケイ〉システムに近い方法を生み出すに至ったのだ。それは宝石の力と大いに関係がある。