弥尋文

  やひろ あや

言葉と脚を封印した娘。橋良愛久里の姉。旧家の畳を這い回ることが彼女の日課だ。それは筆舌に尽くしがたい過去に、その魂が絡め取られている証である。危機を脱したときの偶然を再現し続けなければ、文は壊れてしまうのだ。

言葉をなくした人間は、人格たり得るのだろうか。その記憶は正確たり得るのだろうか。

智慧の実に潜んでいた蛇の毒が歪めた現実が、彼女を通して見えてくる。

登場