御手座(みてぐら) 与一

彼は深く考えないようにしている。元来、その方面の
才能に乏しいのは確かだ。
けれど沈思黙考が掘り当てる内奥の自分は、まるで
血に飢えた獣のようで、それを無意識に封じ込めて
もいる。血の臭いが目覚めさせない限り、彼は衝動的
だが気のいい少年でいられる。
久世正宗とロンブローゾは獣性を軽減してくれた
恩人といえる。